男性にとっての漢方治療

「漢方薬局に一緒に行って欲しいのに、オレはいいよ、と腰が重い夫。不妊治療では夫婦が力を合わせるというのが大事なのに・・・。夫も一緒に漢方をいただき、飲んだほうがいいのではないかと思うのですが、・・・」
漢方相談中、このような質問がよくあります。

不妊症の原因の半分は男性にあり、という説もあり、長時間のデスクワークやテクノストレスが気になるかたは、運動と漢方で体質改善をおすすめしています。
不妊の相談でうちにいらっしゃるお客様のほとんどが女性です。男性はどちらかというとしり込みしてしまうようで、一緒にいらっしゃる方でも最初は奥さまに引っ張られて・・・というケースが多いようです。

しかしお子さんをつくるという作業は夫婦が仲むつまじく、一緒に力を合わせないと結果が出ないものです。以前は私も「検査でご主人に問題がないのであればそこまでする必要がない」と思っていましたが、最近、数人の男性のかたが漢方薬を使ってよい結果が出始めているので「可能であればご夫婦ごいっしょに」とおすすめするようになりました。

現代、不妊に悩まされている人たちの原因の半分以上が男性にあるともいわれています。特にデスクワークが主で一日のうちに大半をPCの前で過ごすような方の場合、テクノストレスが心配です。そのおもな症状は目の疲れ、背中や腰の痛みといった肉体疲労だけでなく、イライラ感、孤独感、不安感などの心理的な症状、人によっては性欲の減退、精子数の低下、精子運動率の低下などを招くこともあるからです。これは連続的なコンヒュータ業務が大脳の前部分にあって、人間の性衝動と関連している前頭連合野の能力を低下させるためだと考えられています。

こうしたテクノストレスが心配な方は、週末などの休日にじょうずに気分転換をしてストレス解消するとよいでしょう。例えば、ふだんの生活とはまったく逆の、つまり体を動かすような趣味がおすすめです。スポーツを楽しむ、庭いじりやガーデニングをする、釣りを楽しむなど自然に親しむのもよいでしょう。またクラシック音楽を聞くのもおすすめです。

長い間漢方相談をつづけていく中で、現代人の病気のほとんどは運動不足が原因の一つであると思うようになってきました。精神医学の大家であるフロイトは、「人間が自然から離れれば離れるほどみずからの欲求に抑制がかかるようになり、それがエスカレートしていくと心の病になる」といっています。現代人に自律神経失調症やうつ病、神経症がふえてきているのも、自然から離れ、人間が本来持っている欲求に抑制をかけているせいかもしれません。

不妊に悩まれている方たちも、機会を見つけて自然や自然のリズムに意識して近づき、心身ともにゆったりとリラックスすることが大事です。
心身ともにリラックスすれば子づくりの基本となるよいホルモンも出るのではないでしょうか。

男性不妊に使われる代表的な漢方薬

柴胡剤(さいこざい)

この漢方薬は、その主役が「柴胡(さいこ)」でありますが、症状体質によってお選びしていきます。是非合わせた漢方薬を服用ください。

腎気丸類(じんきがんるい)

子沢山で有名な徳川家康公も腎気丸に胃腸をよくする成分を混ぜて服用していました。「腎」は腎臓、生殖器、足腰を含め、精気、元気の源の「気」をためる臓器だと東洋医学は考えています。その腎を強めることは、子作りに大切なことです。種類や組み合わせを考えてお飲みいただく方がより効果が出やすいと考えています。

建中湯類(けんちゅうとうるい)

お腹を建て直す意味で、「建中湯」といいます。「腎」強める前に、胃腸が弱い方、集中力がない方、元気がない方は、まずこの種類の漢方薬を服用されると良いでしょう。症状と体質から、効果が出やすい煎じ薬、丸剤をお選びしていきます。

戦国時代、平均寿命が40歳の中75歳まで長生きをして、50歳を過ぎてから8人の子供を作った徳川家康公に学ぶ、漢方養生法もご用意していますので是非一度ご相談ください。