‘からだ‘ の芯からあたためよう

‘からだ‘ の芯からあたためよう

食べ物・飲み物で、体の内側から冷えるとなかなか解消できない!

冷えと不妊とは切っても切れない関係にあります。

不妊症でご相談にいらっしゃるかたのほとんどが冷えを実感されていて、なかには「冬になると生理が止まってしまう」「冬になると生理周期が短くなる」という人もいます。人間の体は冷えてくると体をあたためようとして、自律神経のうちの交感神経が強く働き、皮膚の血管などを収縮させて体温が逃げないようにします。

しかし交感神経には「卵巣の働きを鈍くさせる」という作用もあるため、体が冷えると生理不順になったり、不妊症の原因になったりするのでしょう。

逆に体があたたまると副交感神経の働きがよくなり、皮膚の血管も広がって手足がボカポカとしてきます。副交感神経には卵巣の働きをよくする効果があるので、生理も順調になり、妊娠

しやすい体調がととのってくるのです。

冷え性で悩む人は圧倒的に女性が多いのですが、実はもともと女性は皮下脂肪をたっぷり蓄えた、冷えに対する抵抗力を持つ体になっております。本来体についた皮下脂肪が断熱材のような役目をして、外の寒さから体を守ってくれていたのです

しかし現代の女性は、ヨーグルトや果物、生野菜、コーヒーなど体を冷やすものを好む人が多く、体の内側から冷えています。厚着をしたりカイロを当てたりなど、外からいくらあたためようとしても、今度はこの断熱材(皮下脂肪)が邪魔をして、体はなかなかあたたまりません。ですから冷え性のかたの体をあたためるには体の内側、体の芯からあたためることが大事になってくるというわけです。

運動をして筋肉をつけ、心肺能力を高めることも大事です。

さて、体を芯からあたためる方法ですが、まず一つには食事を改善すること。先にあげたような体を冷やすものをできるだけ控えて、しょうが、みそ、ねぎなど体をあたためるものを積極的にとるようにしましょう。運動をして道度な筋肉をつけることも大事です。

筋肉には体をあたためる力があって、実は漢方薬もこの筋肉のあたためる力を助けるもの。ですからいくら体をあたためる漢方薬をせっせと飲んでも、筋肉のない人はなかなか体があたたまらないのです。

また筋肉を鍛えるような運動をすると心臓や肺の力も強くなり、心肺系の能力が高まれば体内にとり込んだ酸素や栄養分を強い力で全身に送り、備環させることができるので、卵巣にまで

しっかり栄養や血液が届くようになります。心肺系の能力が弱ければ、いくらよい栄養や漢方薬をとっても、それが赤ちゃんをつくるために大事な卵集や子宮にきちんと送られません。

ですから深刻な冷えに悩む人は、食事に気をつかい、できれば1日1回はジョギングや縄跳びなど、息が切れる程度の運動を習慣にするとよいでしょう。

冷やす飲み物をやめ、漢方パワーで体をあたため、自然妊娠&出産!

今回ご紹介するのは36才の女性。身長159㎝、体重46㎏。 結婚8年目で、体外受精に7回チャレンジし、そのうち1回は妊娠したのですが、残念ながら5週目で流産。また2年前に一度自然妊娠なさったそうですが、このときも5週目で流産してしまいました。治療を受けている病院の診断では、「右の卵管が詰まっていて、左の卵管も通りが悪くなっている」とのこと。

基機体温表を見せていただくと正常でしたが、体温はやや低め。長年の不妊治療のせいか生理の量はかなり少なく、体質的には冷え性。寒がりで汗は出にく、ふだんから大便はやわらかく、スーパーなどの冷房ですぐ下痢をしてしまうそう。色は青白く口唇が荒れ、肩こり、背中の張りがあり、姿勢はねこ背ぎみで疲れやすく運動嫌い。さらにコーヒー、香酢、トマトジュースと体を冷やすものを常飲していました。私たちは卵管閉塞は中の冷えによるものだと考え、まず体を冷やすものをやめていただき、おなかの筋肉をゆるめ卵管の通りをよくする演方薬を処方し3カ月間飲んでいただきました。そして季節がちょうど冬にさしかかったので、さらにおなかをあたためる漢方薬に処方を変えたところ、4カ月目に自然妊娠!今回は流産することもなく、無事出産

されたそうです。