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冷えと不眠と精神不安  

25歳、女性、身長157cm、体重50kgの方で、主訴は手足の冷え、不眠および不安でございました。そのほか、生理不順、立ちくらみ、排卵直前から生理前にかけての鼠径部の腫れなども自覚されておりました。

体質といたしましては、中肉中背で、人に気を遣われる性格であり、気分が沈みやすく、音など外部からの刺激に敏感で、手足に汗をかきやすく、その汗で冷えてしまうことがあり、常になんとなくだるさを感じておられるとのことでした。また、低血圧傾向があり、便通は1日1回、尿は日中5回、夜間1回、首のこりからくる頭痛、めまい、立ちくらみ、乗り物酔い、目の痙攣も認められました。

不眠に関しては、入眠困難と熟睡できないことがあり、歯ぎしりや動悸、胸の圧迫感、腹痛、腹部膨満感もみられ、冷えるとお腹が痛くなると訴えられております。皮膚は弱く、かぶれやすい体質で、生理痛は強いものの鎮痛剤の服用はなく、生理周期は30〜40日で安定せず、生理期間は5日間、帯下も多い状態でした。甘いものや果物を好まれ、運動は定期的に行われており、舌苔はなく、湿潤無苔で歯痕はわずかに認められました。

顔色が寒々しく蝋人形のような印象で(いわゆる果物顔)、冷えるとお腹が痛む(疝気)の訴え、また不眠や不安が強く、胸苦しさもあり、運動してもぐっすり眠れないことが特にお辛いとのことでした。めまいや立ちくらみも強かったため、脳脊髄液減少症の既往を確認したところ、以前治療を受けられていたことが判明いたしました。

近年、若い女性から同様のご相談が増えており、この方も今までの生活上のストレスが多く、美しい容姿の奥に、張り詰めた心の状態が隠されておりました。そのため、自身の気持ちを落ち着かせようと甘いものの摂取が増えてしまっていたとのことでした。そこで「心中悸して煩する者」に適応のある漢方煎じ薬を1ヶ月間服用していただいたところ、手足の冷えが大変改善し、肩の力も抜けて頭痛も起こらなくなり、生理痛も軽快し、生理前の鼠径部の腫れも消失いたしました。不眠と不安に関しては、約50%の改善が得られました。